この「貧困にあえぐ人々が暮らす町」スラム住民の多くは貧しい農村の出身者で、都会に出稼ぎに来たものの、
定職に就ける幸運に出会える事はめったにありません。それでも彼らは、何とか日銭を稼いで食いつなぎなぎらも、
田舎の村々で待つ家族のもとにわずかばかりの現金の仕送りを続けています。
今日働かなければ今日食べるものがない、
明日はどうなるかわからないという不安定な状況下で、一日一日をひたすらサバイバルしながら彼らは懸命に生きています。
私たちの学校もこのキベラスラムの中にあります。
現在子どもの数は450人に無料で教育を提供しています。
”貧困の為学校に行けず、どうしても学校に行きたくて駆け込んできた子”
”ストリートで暮らしていたがどうしても学校に行きたくて、この学校に入って勉強したいから入学させて欲しいと尋ねてきた子”
”厳しい環境の中で虐待を受けていたところから逃げ込んで来た子”
”親が病気で働く事ができず、家にはまったく食べ物が無いので自力で生き抜こうとしている子”
”完全孤児で、物心付いた頃からストリートで生活しており、自分の出身地さえ分からない子”
”親が子育てに全く関心が無く、稼いだ少ないお金は全て酒代に消え、食べ物さえも与えられない子”
さまざまな問題を抱えながら暮らしている子供たちがほとんどで、その子どもたちがまた光の見えないつらい毎日を送るのか、
未来に向かって勉強をしたり、色々な活動をして生き抜いていくことができるかどうかは彼らの熱意とキベラの大人たち、そして我々次第です。
ケニアにある小学校は義務教育で、授業料は無料です。しかし学校側から校舎を改築するとか、備品を買うとかいろいろな理由でお金を請求
されるのです。その他に教科書、制服、文房具、なども自己負担です。このお金を負担することが保護者に負担になります。それを払えない
と学校から追い出されてしまいます。
つまりスラムには普通に学校通うことのできる家庭はほとんどありません。この学校はスラム内の
無認可の小学校なので設備もあまりよくありません。公立ではないので国から先生が派遣されることもありません。通っている
子供たちもほとんどがスラムに住む子供たちですから設備費を取ろうとしても払えません。もちろん食費も、文房具も制服もくつも。
それでも子供たちは学校に通える喜びを感じ、毎日必死に勉強しています。
今はこの学校で、セカンダリースクール、大学進学、
そして未来を担う社会人となる子どもが一人でも多く育ってくれることが我々の願いです。